ご挨拶

5代目PEG・在宅医療学会理事長に就任して

―PEGが必要な人にPEGが施行できるようにー

大阪市立十三市民病院 病院長

西口幸雄

この度、PEG・在宅医療学会理事長に就任しましたので、ご挨拶を申し上げます。

PEG・在宅医療学会と私が最初に関わりましたのは、第1回にHEQ研究会(PEG・在宅医療学会の前身)が横浜で開催された時からです。恩師の曽和教授が演題を出すように指示されました。
以来、毎年(1年だけ、私が直腸がんで手術を受けた年は、参加できませんでした)出席しています。その後、用語委員会など多数の委員会、それに事務局長を長年しておりました。
本研究会の組織や歴史を最も知っていると思っています。上野会長の後任として理事長を拝命しましたのでよろしくお願いいたします。

PEGを取り巻く環境は、学会発足当初の「PEG推進時代」から「PEGバッシング時代」へと変わってきています。本学会は、PEGの経腸栄養法としての利点を最大限に啓蒙し、その安全な管理法の普及に貢献してきました。
しかしマスコミによるPEGバッシングのために、PEG患者さんは減少してしまいました。バッシングの勢いはここ数年減ってきてはいるものの、まだまだPEG患者さんは回復していません。
本来PEGが適応である患者さんにPEGが出来ずになってしまっていることは、なんとしても改善しなくてはいけない問題点だと考えています。

PEGを必要とする患者さんに、再びPEGができるようにしましょう。
それにはどうすればいいでしょうか?

PEGに関するエビデンスを作ることが重要だと考えています。

栄養評価によって適応は変わるか?
造設法による合併症発生率は?
半固形化流動食品の投与は誤嚥性肺炎を減少させるか?
PEG造設後エネルギー量は患者ごとに管理できているか?
エネルギー量は充足されているか?

そのほか、いろいろと考えなければいけない点があります。これらのエビデンスを作らなければ、PEGは本当にいいんだ、ということは言えないと思います。
マスコミのバッシングにより患者の家族に反対される医療従事者の意識改革も必要です。ご家族にPEGを反対されてもきちんと説明できるように、「PEGがいいんだ」という証拠を積み上げていく必要があります。

みなさんと一緒にエビデンス作りに励んでいきたいと思います。
どうかご協力よろしくお願いします。

今後世界のどの国も経験したことがない高齢化社会に日本は突入していきます。
PEGは小児や緊急時の患者にももちろん最適な栄養療法ですが、嚥下機能が低下した高齢者の患者にとっても最適な栄養投与法です。

PEGによって嚥下訓練が効果的に出来るようになります。
再び経口摂取ができるようになる高齢者もいます。

そういう世の中をめざして本学会は進んでいきたく思います。
会員の皆さんのなお一層のご活躍をお願いしたく思います。